経営

【人は何に価値を感じてお金を使うのか?】可処分所得と可処分時間

以前のブログ↓

【一流の共通項】時間単価で考える

こちらで”時間の重要性”について書きました。

その中で

ビジネスという市場は

  •  可処分所得
  •  可処分時間

の奪い合いだと言いました。

ビジネスをしているのならばこの可処分所得や可処分時間を考えずに経営をしている人は皆無でしょう。

これがなぜビジネスにとって重要なキーワードなのかを説明していきます。

可処分所得・時間とは

可処分所得とは

総支給から税金などを引いた金額が手取りの給料になります。

そこから

  •  家賃
  •  光熱費
  •  ローン
  •  食費
  •  通信費

etc…

これら必要経費を引いた金額が自由に使えるお金。これが、

可処分所得です。

そして、

可処分時間とは

1日24時間、その中から

  •  仕事
  •  睡眠
  •  食事
  •  風呂
  •  支度や準備

etc…

24時間から絶対に使わなければいけない時間を引いた自由な時間。これが、

可処分時間です。

総務省の調査によると

  •  1次活動(睡眠や食事)
  •  2次活動(仕事や家事育児)

を抜いた自由な時間、すなわち可処分時間は1日平均で約6時間20分だと発表されています。

そんなに暇な時間ないよ!!

と思ってる人が大半じゃないでしょうか?

ですが、無意識に使われて無くなっていくのも可処分時間の特徴なのです。

(この可処分時間の使い方で成長度合いと年収が決まるとも言われています)

ビジネスはこの

可処分所得・可処分時間

の奪い合いです。

ビジネスとは、どれだけ人々の自由なお金と自由な時間を頂けるか・・・なのです。

お金と時間の価値

少し前まではビジネスは可処分所得の奪い合いと言われていました。

「どうしたら自分の会社にお金を使ってもらえるか?」

これが経営者の考える最たるところでした。

良いモノを作れば売れるんじゃないか?
美味しいものを作ればお客様は来るんじゃないか?
料金を安くすれば繁盛するんじゃないか?

少しでも自分達の知恵や知識、努力で”お金を頂く”ことに必死に頭を使いました。

これらが間違ってるわけではありません。

ですが、時代が変わり今は

「どうしたら自分の会社に時間を使ってもらえるか?」

価値はお金から時間に移行しました。

時間を大切にするのは当たり前ですが、消費者がお金より時間に価値があることに気付いてしまったのです。

いまだに「安くすればお客様が来る」と思ってる人はいませんか?

こんな「優しくしたら好きになってくれるだろう」みたいな安直な考えは通じません。

今や当たり前になった”定額動画配信サービス”

  •  Netflix
  •  Prime Video
  •  Hulu
  •  U-NEXT
  •  ABEMAプレミアム
  •  YouTubeプレミアム

etc…

これらは競合して可処分時間の奪い合いをしている企業です。

「時間を使う価値がない」と判断されたものからサブスクの契約を切られる・・・

どれだけ自由な時間を自分の会社に使ってくれるかが生命線なのです。


これからのビジネス

安くても時間がとられるモノに価値はありません。

無料でも遅ければ人は集まりません。

1日24時間という決まった枠の中で”遅い”というビジネスは簡単に売上が頭打ちになります。

ビジネスをしていく上で大事な口コミも

遅いほどクレームを書かれ、

早いほど高評価になる。

と言われています。

僕は”5秒ほどの広告とスキップするという行動”が不快で毎月1,180円払ってYouTubeプレミアムに加入していますし、クレジットカードのやりとりが面倒でQUICPayで払えないタクシーは呼びません。

たかが何秒ですが、そこに価値があるのです。

パソコンの起動が遅いとイライラしませんか?

スーパーのレジが並んでるのを見て買い物を諦めたり、1人でも少ないレジはないかと探したりしませんか?

待つのや混んでたりするのが嫌だったり、支度や準備が面倒だから割高でもウーバーイーツやウォルト、出前館で頼むのです。
温かくて本当に美味しいものが食べたければウーバーイーツやウォルトなど流行らないでしょう。

月曜日や給料日のATMでの待ち時間は苦痛ではないですか?

今はインターネットバンキングというスマホで完結できるサービスがあります。

美容室も今はホットペッパーでの予約が主流です。

昔は営業時間内でしか予約の電話ができませんでしたが、今は24時間365日予約が出来ます。そして自分の行きたい時間が確認できます。

Amazonや楽天などのネットショッピングは全て可処分時間(空いた時間)の中で可処分所得(お金)を使うことができるよう設計されたビジネスです。

「ゆっくりで遅い方がいい」というサービスなどないのではないでしょうか?

バスと飛行機は飛行機の方が価格が高い(ことの方が多い)です。

東京から大阪の場合、バスで最大10時間、飛行機で1時間20分になります。

あなたはどちらを選びますか?

同じ目的地なのになぜ高い飛行機を選ぶのでしょうか?

それは早く目的地に着くという時間にお金を払っているからです。

便利さや快適さを売るというのはお金に変わります。

早さこそ最大限の顧客満足度を生むサービス・・・

だから早さが一番重要・時間が最も大切なのです。



今最も人気のあるYouTuberが動画内で

「毎日投稿を続けることで可処分時間を全て自分たちの動画に使ってもらう」

「1時間を超える動画ばかり投稿するのは、視聴者の可処分時間を奪って他のYouTubeチャンネルに行かせない為」

と答えているのを見て「さすがだな」と感銘を受けました。

人々の自由の時間の優先度を自分達に向けることで

  •  人気者だと錯覚させる
  •  他者の人気が無くなったと思わせる

素晴らしい戦略です。

優秀で賢い人は時間がお金に変わることを知っています。

自由なお金と自由な時間、どちらの方に価値を感じますか?

お金は稼げても時間は戻ってきません。

人はいつか死にます。時間こそ人生です。

ABOUT ME
中野 洋志
(株)HiLO代表取締役 美容室2店舗と美容サロンを経営 経営コンサルタントとしても活動中 趣味は読書で累計読書数は5,000冊を越える

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