教育

【自分の価値は?】資産形成の柱”人的資本”の正体とは

”人的資本”という言葉を聞いたことはありますか?

ヒューマン・キャピタルとも言います。

わからない方の為に

人的資本とは

知識技能能力など

その人が持つ能力を資本(事業における元手)として捉えた概念

です。

そこで質問です、

「あなたの価値はいくらですか?」

貯金がある!

とか

マイホームを持ってる!

とか

資産がいくらあるかではなく、自分自身の価値はいくらなのかです。

これがわからなければ昇格も転職も起業も難しくなってきます。

株も家も車も時計も・・・資産にはなりますが、

一番大きな資産は”自分自身だ”ということに気付かなければいけません。

株も家も車も時計も、人的資本(稼ぐ能力)があるからです。

そんな人的資本について解説していきます。

企業の一番の投資判断は人的資本

誰もが一度は面接というものを受けたことがあると思います。

そこで一番聞かれるのが人的資本についてです。

あなたの能力や知識が採用しても活かされるかが見られているのです。

日本は年功序列や終身雇用の時代が長らく続いてきました。

それは

ダメ社員
ダメ社員
辞めなければ何もしなくても給料は右肩上がり〜

という競争力の低い存在を多く育てることになりました。

この人的資源だった時代から人的資本に切り替えれない企業はこの先淘汰されていくことでしょう。


人的資源と人的資本

4つの経営資源と言われる

「ヒト・モノ・カネ・情報」など会社の多くは従業員を資源と捉え、資源としての人材確保の重要性が広く認められるようになりました。

資源は「消費」の対象です。資源は消費されるからリサイクルされるのです。

SDGsの働きかけもあり、

ヒトは消費の対象ではなく「投資の対象にしよう!」

という流れになってきています。

社員教育などのスキルアップや能力開発は企業の利益にダイレクトに影響を与えます。

人的資本に投資し、会社も社員もWIN-WINになれる関係を目指しましょう。


自分の資産価値は?

冒頭で質問をした答えの計算式を伝えます。

会社員のAさんフリーランスのBさん

共に年収を300万円だとします。

3年後に仕事を辞めるとした場合の現在の資産価値はどうなるでしょう。

これが将来のキャッシュフローに大きく影響してくるのです。

「年収300万円だから価値は300万円だ!」

「年収300万円に3年掛けて900万円だ!」

と思う人が多いと思います。

どちらも不正解。解説します。

※あらかじめ言っておきます。
人間の可能性や努力、能力はお金で表せることができません。
あくまで銀行の評価であったり自分を売却したとしたらという機械的な話なので安いから価値がないというわけではありません。

割引率で考える

金融の世界ではかなり使われる”割引率”というワード。

今日の1万円は3年後も同じ1万円ではありません。お金は時間が経つと価値が変わります。

未来のお金を”現在の価値”として割り引いて計算する

①安定している会社員のAさん

割引率は1.01%で計算します。

1年後の価値は300万÷1.01%の297万円

2年後は297万円÷1.01%の294万円

3年後は294万円÷1.01%の291万円

トータル882万円”人的資本”というわけです。

3年間で900万円稼げる予定のAさん

現在の人的資本は882万円

家や車も年月が経てば価値は目減りします。

こういう計算が家でも車でも行われているというわけです。

②不安定なフリーランスのBさん

会社員のAさんと違って将来が不安定です。

会社員のAさんとフリーランスのBさん。年収が同じでも人的資本は同じになりません。

未来の予測が立ちにくいBさんは割引率30%で計算しましょう。

1年後の価値は300万÷1.30%の231万円

2年後は231万円÷1.30%の177万円

3年後は177万円÷1.30%の136万円

トータル544万円”人的資本”というわけです。

3年間で900万円稼げる予定のBさん

現在の人的資本は544万円

年収が同じ300万円でも

安定しているAさんと不安定なBさんは

338万円もの人的資本の差があるのです。

2人の差を大きく分けたのは割引率=リスクの大きさです。


割引率はリスクを表す

  •  1%は低リスク
  •  3%はミドルリスク
  •  5%はハイリスク

資産運用をしている方はピンとくるかもしれません。

  •  リスクが低ければリターンも低い
  •  リスクが高ければリターンも大きい

ローリスクな会社員ハイリスクなフリーランス

この関係が成り立ちます。

利回りの高さとリスクは表裏一体です。

公務員が人気の理由

この計算式があるから公務員が人気なのです。

  1.  将来のキャッシュフローが明確(ローリスク)
  2.  割引率が低い(ローリスク)

これが俗に言う”安定”です。

親
公務員になりなさい
学生
学生
将来の夢は公務員です!

こういった発言の裏側には、

”人的資本”が大きくなる仕事がいい

という意味があるのです。

保険は”人的資本”に対して入る

前のブログで「保険に入るな!」という記事を書きました。

「人的資本を失うと未来に入る予定だった資産がなくなり生活ができない」という人が保険に加入するべきです。

旦那・父
旦那・父
自分の老後までの人的資本は2,000万円だから、毎月3,000円の掛け捨ての保険に入っておけば家族に迷惑はかからないな

という感じですね。

1番の財産はお金でもなく、家や車・時計でもなく”自分”だということを理解しましょう。



計算式で用いた割引率の定義はありません。

ですが、こういう計算式で価値というものが計られているんだということが解れば”資産”というものがどういうものなのか分かったと思います。

安定しているから良いというわけでもなく、不安定だからダメというわけでもありません。

年収を上げることでも、割引率を下げることでも”人的資本”は大きく変わります。

AIやコロナ、時代が変わりテクノロジーが発展したおかげで人的資本は低下の一途をたどっています。

自分という資本を大きくする投資が未来を安心に導いてくれるでしょう。

ABOUT ME
中野 洋志
(株)HiLO代表取締役 美容室2店舗と美容サロンを経営 経営コンサルタントとしても活動中 趣味は読書で累計読書数は5,000冊を越える

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