上手ければお客様が来るということはあり得ない
上手いから来るのは、一回来店してからの話です。
それがリピート力です。
プレイヤー脳だと技術を極めればお客様が来るのではないかという発想になるのかもしれません。
ですが経営脳とは
0から1にすることです
お客様は下手だから来ないのではありません。
そこにお店があるということを”知らない”から来ない
上手い下手は来てからの話です。
オープンしてから(する前から)
一番意識しないといけないのは、
知ってもらうことにお金と時間を使う事です。
全てのビジネスのスタートは認知から
コンテストで優勝して業界の知名度が上がっても、お客様に知られていなければお店は暇のままです。
知られていない=存在していないです。
プレイヤーとしてセミナーや講習に参加し、カットの練習、カラーやパーマの勉強をしつつ
経営者として0から勉強を両立しなければいけないのです
経営者としての勉強とは
- 集客
- お金の流れと管理
- 試算表チェック
- スタッフ教育
- 戦略と作戦
- 外交などの外部コミュニケーション
- 未来創造
など、あげたらキリがありません。
これらは前の職場では店長・チーフレベルでも管理できていないといけないものでした。
これは学校でも就職先でも全く教えてもらえません。
自分で勉強し、磨かないといけないものです。
- 1日3回のブログ更新
- マンション、一軒家を周りポスティング
SNSが今ほど普及していなかったので僕ができる攻めはこれくらい。
ホットペッパーもその時は無く、頼みの綱は地元のフリーペーパーのみ。
ですが、僕には
来店してもらえる理由がなかった
札幌や銀座で修行をしてきた奴が地元に戻ってお店を開いたところで誰も僕のことなど知りません。
経験値より知り合いの数が勝つ世界です。
所詮、僕は会社にお客様を呼んでもらっていただけの無能な美容師だったと気付くのです。
それなりに自信のあった考えはあっさり打ち崩されました。
そこで何をするべきか?
- 何の為に独立をするのか?
- 何で勝負し、独立をするのか?
この基盤をしっかり構築していないとすぐに失敗に終わります。
この2点は必ず固めておくことをオススメします
僕は勢いで独立し、
”絶対にうまくいくだろう”という根拠のない自信だけで始めました。
たまたま周りに恵まれて潰れずに済んでいますが、
3回は潰れてもおかしくない状況がありました。
根拠のない自信は大事ですが、経営は自信だけで続きません。
経営はお金がなくなったらゲームオーバー
極端な話、お客様が一人も来なくてもお金さえあればお店は続けられます。
独立したいのなら最低でも自己資金300万円は用意しましょう。(1人でやるなら300万円は必要です)
美容室というのは現金商売なので運転資金という名目で融資がおりにくいです。
通帳の履歴は銀行担当者にも信頼を与えます。
独立の為に、コツコツ貯めたという事実は紛れもなく想いとして現れてきます。
自分がお金を貸す立場だったらどういう人になら貸してあげたいと思うかをよく考えてみてください。
設備資金で融資を受けて、運転資金は自力で用意するくらいの気持ちがないとすぐにゲームオーバーになってしまいます。
どれくらいの規模でやるかにもよりますが、運転資金は月商の3倍は最低でも留保しておくのが良いでしょう。
一月の売り上げが300万円なら(それで黒字になるなら)600〜900万円は通帳に残ってる状態が望ましいです。
貯金0円でも融資を受けて開業することは可能ですが、
お店は誰でもオープンできます
続けるのが大変なのです。
経営はお金がなくなったら終わり
スタッフが辞めようが、お客様が減ろうが、店は潰れません。
お金がなくなったら終わりということは最低限頭に入れておきましょう。
自己資金は厚くあればあるほどいいです。
独立したいから全額借りるのではなく、
まずは貯金という自分の本気度を確かめてください。
利益が出ると税金がたくさんかかるから節税と言って要らないものを買う経営者さんも多いです。
銀行の評価は納税額です。(細かく言えば他にもありますが)
税金を多く払えば払うほど、お金が借りやすくなります。
スタッフが辞めた時、コロナでお客様が減っている時、
どう繋げるかは潤沢な資金があるかどうかです。
銀行は3行くらいは付き合いを持ちましょう。
1行だけだと足元を見られ金利の交渉ができません。
できるだけ長く多く借りましょう
という思いで一月辺りの返済額を高く設定してしまうと、いざという時、回らなくなり現金がショートします。
年数や金利などは決算書や付き合いによって大きく変わってきますし、事業の内容が良ければ金利を引き下げることも可能です。
最初は保証協会付きの融資で金利が高くても、
しっかり払い続けて実績を積んでいけばプロパー融資(信用貸し)で話を持って来てくれます。
ちなみに、借りたお金の金利で銀行は成り立っているので、
すぐに借金を返済しようとする人を銀行は嫌います。
借りるときはペコペコして、返すときはバッサリみたいに切り捨てると関係が構築されません。
銀行担当者としっかり相談して決めた方が良いと思います。
銀行もビジネスだということは忘れずに。。。
不足な事態を想定して、しっかりと利益を出し、いつでも融資をしてもらえる状態をつくっておく事が経営者としての役目です