世の中にいる経営者のほとんどは雇われの身を経験しています。
人に使われたことがないという人はほぼいないでしょう。
僕自身、7年雇われる経験をしてから独立し、人を雇うようになりました。
雇われている時は将来への不安と現状の不満に目がいきがちです。
不安や不満は現状が安定し満足しているからこそ生まれるのです。
独立した人ならわかると思いますが、不安と不満は会社を辞めたら焦りに変わり感謝が生まれます。
守られながらも愚痴を言える今の環境や立場は最高なのです。
社員は仕事を辞めることは簡単ですが、経営者は会社を辞めさせることができません。
”辞めてもらいたい社員”がいるけど「どう扱っていいか悩む」という社長さんはたくさんいます。
雇われる立場と雇う立場。
人に使われる立場と人を使う立場。
経営者でなくても
「この人と仕事したくないな・・・」
と思うことはあるでしょう。
雇われている身ならば無視をしたり関わらないようにすれば済みますが経営者となるとそうはいきません。
経営者と社員・・・それは責任の差です。
人が会社を辞める理由
人が会社や仕事を辞める(変える)時というのは基本的に3つの原則から成り立ちます。
- 人から必要とされていないと感じた時
- 自分が成長していないと感じた時
- 尊敬する人が職場にいないと感じた時
給料よりも人間関係が大半を占めると言われています。
職場を選ぶ時や転職する時は給料や休みが優先されるのに辞める時はほとんどが人なのです。
給料や休みはあなたがどう頑張っても変えることはできません。
それは会社のシステムで決まるからです。
でも人間関係はあなたの努力次第で変えることができます。
あなたの周りにもいませんでしたか?
と言われて辞めていった人が。
断言しますが、
結果を出せないのに不満や愚痴が多く自分の能力を過信している人が次の職場で成功しているというのを見た事も聞いた事もありません。
何歳だろうがどんな環境だろうが今ある原因を自責にできる人はどこにいっても大丈夫です。
逆に何歳だろうがどんな環境だろうが今ある原因を他責にする人はどこにいっても同じ扱われ方をします。
ややこしい言い方になりますが、
”成功する人”や”人を雇える人”というのは、
雇われている時から成功していて人を使える能力があった人です
成功することも人をまとめる能力も独立したからといって急に出来るようになるものではありません。
先程言った
- 人から必要とされていないと感じた時
- 自分が成長していないと感じた時
- 尊敬する人が職場にいないと感じた時
この3原則であなたが辞めた場合、
独立や転職しても同じことを繰り返すか、同じ思いをさせるということです。
辞めてもらいたい社員とは
結論から言うと
価値観が合わない社員
です。
社員からしても価値観が合わない職場にいることはストレスですし、将来に対して期待が持てないはずです。
これは経営者からしても価値観が合わない人は評価できない・しにくい対象になるからです。
価値観が合わない者同士がどれだけ頑張っても価値は上がりません。
厳密に言うと、辞めてもらいたいというより「転職した方がいいのにな」と思う感じです。
↓過去にも書いた記事があるので読んでみてください↓
どんなに結果が出なくても、仕事を覚えるのが遅くてもこの価値観だけは合っていなければいつか絶対に辞めます。これは断言できます。
上手くいったら社員のおかげ、潰れるのは社長の責任です。
だからこそ僕は面接でも嘘偽りなく全てを話しますし、それに賛同してくれる人しか採用しません。
働いてから「話が違った」ということは避けたいのです。
経営者はたくさん給料を払いたい・・・
社員はたくさん給料をもらいたい・・・
この利害関係は同じはずです。
価値観が違う人を残してもいつか必ず辞めます。そう思えば引き止める理由などないのです。
価値観は期待の表れ
能力や労働条件はいくらでも調整可能ですが、価値観の違いだけはどう頑張っても調整がききません。
恋愛でも友人でも仕事でも、価値観が合わない人とは共にできません。
価値観は期待の表れです。
価値観が合わない社員に期待されても会社は応えることができませんし、価値観が合わない社員に期待しても返ってくることはありません。
- 頑張ってるのに褒めてくれない
- 期待したのに裏切られた
価値観が合わないとこういう風に感じるでしょう。
なので、
お互い期待しているけど期待通りにならず3原則の考え方に行き着くのです。
僕は売上が低くても怒ることはしません。
報告・連絡・相談を怠ったり、言ったことをやらないレスポンスの遅い人や他人のことを考えない独りよがりな仕事をしている人については厳しく言います。
それで腐ったりやる気がなくなるならそれまでの関係なのです。
会社や職場に「何の期待も持てない」ならばすぐに辞めるべきです。
厳しい言い方になりますが、
転職できる勇気がないのならそれはあなた自身が変わらないといけません。
辞める勇気もないのに愚痴や文句を言える環境に感謝しなければいけないのです。
仕事を辞め独立し、多額の借金を背負い人を雇用し続ける・・・
この気持ちがわかれば今ある不満など可愛く思えるでしょう。
それくらい人を使う立場は重圧と責任の毎日なのです。
上にいくと言うことばかりで直接言われることがなくなります。
言われない立場だからこそ自分には一番厳しくいるべきです。
最後にドラえもんの名言で締めたいと思います。
出典:ドラえもん
戦争や争いなどの価値観の違いは「自分は間違っていない」というところから始まります。
あなたが何を会社に求めていて、会社はあなたに何を求めているのか・・・
良いことも悪いことも価値観が合わない人と共にする時間は苦痛でしかありません。
今いる職場で責任ある仕事をしましょう。
そして、人を動かす経験をしましょう。
そうすれば”辞めてもらいたい社員”になることはないでしょう。