あまり馴染みのない言葉ですが、
”競争優位性”
聞いたことはありますか??
僕は何かを始める時、一番最初にこれを考えるところから始めます。
ビジネスは市場の奪い合いです。
競争優位性を理解していないでビジネスをするのは、一か八か運だけで起業する、いわばギャンブルのようなものです。
自分のお店や会社が他に比べて競争優位性があるかどうか
これを徹底的に調べることから始まります。
競争優位性が取れない市場には手を出さない
or
競争優位性が取れる理由を見つける
これがない仕事や会社は必ず潰れます。
とても大事な競争優位性とは何なのか・・・
解説していきます。
競争優位性とは
僕は美容室を経営しているので美容室で例えます
僕の住んでいる北海道帯広市は人口が約16万6000人です。
その周りの町村を含めた十勝という括りでいうと人口は約33万9000人。
そのうち約28%が65歳以上となっています。
十勝は40歳から〜69歳までの人口が圧倒的に多く、これからもっと高齢化になっていく事が確定しています。
僕はこの十勝という経済圏から美容室の市場をとらなければいけません。
十勝には約750件の美容室があると言われています。
(実際稼働しているかはわかりませんが・・・)
この750件の中で何か突出したものがないと選ばれません。
そして他にはない何かを持たないと選ばれ続けません。
美容師さんの数は正式には出ていませんが、1店舗に1人以上と仮定しても1000人ほどの美容師さんがいるという事になります。
この1000人の中で何か突出したものがないと選ばれません。
そして他にはない何かを持たないと選ばれ続けません。
家でやっているおばちゃん美容室などは賃貸ではなく持ち家が多いので、経費があまりかからず一月の売上が2,30万円もあれば良いでしょう。
ですが、正社員を抱える美容室では全く経営が成り立ちません。
- 家賃
- 材料費
- 光熱費
- 人件費(社会保険料込み)
- 借金返済額
etc…
細かく言えばもっとたくさん払うものはありますが、毎月払わなければいけない金額、すなわち損益分岐点を超えてから利益というのは生まれてきます。
ではどのようにして損益分岐点を超える売上を立ててくのか・・・
ここでようやく競争優位性を持たなければいけないという話しになります。
競争優位性・・・それは他社(他者)との差別化です。
美容室の場合、他のお店よりも優れていないといけない上、更に同じお店の他の美容師より優れた何かがないと自分が指名されません。
飲食店はもっと厳しく、帯広は人口に対する飲食店の店舗数が全国でもトップクラスで全国1724ある市町村の中で80位となっています。
飲食が潰れていく確率は1年で30%、2年で50%、3年目からは70%以上の確率で廃業すると言われています。
なぜ飲食が他の業種より潰れやすいのか??
それは競争優位性がとりにくいビジネスだから。これに尽きます。
競争優位性を持つ
あなたが仮にビジネスを始める場合、他社(他者)とどのような差別化をしますか?
これは僕が実際にミーティングなどで例えて話すのですが、
東京では〇〇専門店などがたくさんあります
- 一人焼肉専門店
- パクチー専門店
- 海老料理専門店
- 納豆専門店
- ショートカット専門美容室
etc・・・
これらは東京の人口が1400万人いるから流行るのであって、33万人しかいない十勝でオープンしたところで競争優位性は持てないのです。
競争優位性は言い方を変えると”ウリ”という事になるのですが、人口とウリの相対的な人数を考えなければいつまで経っても売れず、結果が出ず、廃業する事になるのです。
当社は昔、来店した全てのお客様に”美容室を変えた理由は何ですか?”というアンケートをとった事があります。
今でもそのデータは残っているのですが、お客様の多くの答えは何だと思いますか??
- 技術が下手だった
- 接客が悪かった
- 金額が高かった
ほとんどはこのような感じだと思うでしょう。
最も多かった答えは・・・なんとなくです。
要するに、帰る時は満足して帰ったけど2ヶ月後また美容室に行くときに思い出せなかった・記憶に残らなかったという事です。
これは経営を学んだ方なら聞いたことのある話かもしれませんが、全てのお店が失客する理由の第一位は「なんとなく」です。
ではなく、
という
「何となく行ってなかった」これなのです。
これが他社(他者)より優れていないと記憶に残らないのです。
僕は専門学生の頃、就職先を選ぶのにたくさんのお店に髪を切りに行ったり見学に行きました。
皆さんカットが上手でしたし、美容学生ということもあって色々と話してくれました。
ですが、僕が就職したところは
一回も髪を切りに行っていない&見学もしていないサロンです。
理由は、働きたいと思うほどどこの美容室も記憶に残らなかったから。
つまりは競争優位性がなく、どこも同じだと感じてしまったのです。
最終的に就職したところは超大手で給料も良く、たくさんのお客様がきてくれる・・・これが理由で就職先を選びました。
大手で福利厚生がしっかりしていて給料が良い・・・競争優位性がありますね。
これはお客様にも当てはまり、美容室にしても飲食店にしても
行きやすい・居心地がいい
など、言葉で言い表せれない「何となく」の魅力が競争優位性に繋がるのです。
僕は何回も同じ美容室に行き、同じ人を指名していましたが、仕上がりで満足したことはありませんでした。
お会計が終わったらトイレでセットを直すというのが毎回でした。
それでも通っていた理由は
「話しやすかった」「空気感がラクだった」
これだけです。
技術や味でリピートはされません。
それは手段だから。原因ではないのです。
技術や味を蔑ろにしていい訳ではありません。技術や味は好みなので追求するのが難しい上に伝わりにくいのです。
あくまで売るべきものは空間と人です。
美味しいお店にたくさん行ってきましたが、リピートするお店はとても少ないです。
それは不味かったからではありません。
「また行きたい」と思う何かがなかった。
そして、お腹が減った時に
「思い出せなかった」
それだけです。
勝てる土俵で戦う
僕は2021年の5月にブログを始め、今ではたくさんの方に見てもらえるようになりました。
ブログはライバルがとても多い市場です。
何を書いて、何で競争優位性を持つのか・・・
流行りのものや、薄っぺらい知識ではすぐに見てもらえなくなるでしょう。
僕が他の人より少し勝っていて、戦える土俵は
- 10年経営してきた経験
- 読書量
だと思いました。
自分にしか書けないものを自分の言葉で書く
ブログを投稿したら毎回、どのような層の人に読まれていて、どこを経由してブログに辿り着いたかをGoogleのアナリティクスやサーチコンソールというシステムを使って調べるのです。
これが競争優位性を高めることに繋がります。
当社は
- 新規再来率
- 固定再来率
- 次回予約比率
- ホットペッパーのPV数
- ホットペッパーの離脱率
- ホットペッパーのクリック数
などを数値化しグラフに出して見える化しています。
これを毎月出して徹底的に伸びてる所と落ちている所を洗い出します。
こうして他にはないメニューと他にはいない人材を育てていくのです。
何を始めるか決める前に「それを始めたら他者(他者)より勝算はあるか?」を考えることがスタートです。
ビジネスの知識や実践に伴う経験がなくても「勝てる理由があるか?」を徹底的にリサーチしなければいけません。
ネットで商売をする場合は日本の総人口がターゲットになるでしょう。
ですが実店舗を構える場合は絶対に商圏内の分母の取り合いになるのです。
他では体験できないような事がここではできる・・・
美容室だろうが飲食店だろうがリピートするには理由があります。
ディズニーランドのリピート率がずば抜けて高いのは、ご飯が美味しいからでもアトラクションが楽しいからでもありません。
ディズニーでしか”かからない魔法”があるからです。
ここで質問です
ラーメンが食べたいと思ったらどこのお店の名前が出てきますか?
買い物がしたいと思ったらどこのショップを思い浮かべましたか?
そろそろ髪が切りたい・・・どこの美容室ですか?
これで一番最初に思い浮かぶところがあなたにとって優位性の高い店です。
お店や会社はここを取る努力に時間とお金をかけるのです。
これが一番危ない思考です。
失敗するにも成功するにも全ては戦略です。
スポーツも戦略があり、組織で戦います。同じです。
経営は自分の好きな事をやるだけでは上手くいきません。
需要と供給
自分のやる事がお客様のニーズにはまっていればお店は大人気になっているでしょう。
現在、日本の人口は2人に1人が50歳を超えています。
これからもっと高齢化が進みます。
今まで成功していた仕事は淘汰されていきます。
大企業は大人数のリストラを遂行し、経営方針の転換を求められています。
競争優位性を持つということは社会の流れに目を向け、どのようにして利益を上げ雇用を生むのか・・・
ビジネスは市場という土地の奪い合いです。
あなたのお店に行かないと出来ないこと
あなたに会わないと出来ないこと
あなたが持つべき競争優位性は何ですか?