会社を経営していると1年間の成績として決算書というものが出来上がります。
これを見て今の会社の状態が健全か危険かを判断します。
経営者でも
- 見方がよくわからない
- 何を見て判断したらいいかわからない
という人も多いと思います。
決算書は1年に1度の決算が終われば出来上がりますが、その他に毎月
試算表というものが出来上がります。
この毎月できる試算表の集合体が決算書です。
※試算表や決算書を作成するために開業したら会計士・税理士は必ず契約しましょう
僕自身、試算表や決算書に書かれている
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
をしっかり理解したくて簿記の勉強をしました。
今回はこの試算表や決算書の見るべき重要なポイントをお伝えします。
細かく言えば見るべきポイントはたくさんありますが、
大まかに3つの重要なポイントがあるので解説していきます。
これを知ることで財務に強くなり、経営をしていく上での数字の見方が変わります。
最後までご覧ください。
(決算書や試算表がある方はそれらを見ながらご覧ください)
決算書・試算表の重要性
会社を続けていく上で大切なものは何でしょう?
社員、お客様、商品、技術、味・・・
たくさん意見はあると思いますが全て正解です。
では、一番大切なものは?
それは、キャッシュ(現預金)です。これを会社の体力とも言います。
いくらお客様が多かろうが、売上が高かろうがキャッシュ(現預金)が無くなれば倒産です。
これは経営者なら強く認識してください。
社員に高い給料を払おうが、ボーナスをたくさん与えようが、お客様で溢れかえっていようがキャッシュ(現預金)が無くなればゲームオーバーです。
どうやってキャッシュ(現預金)を集めるのか
会社を経営していると想定外の出来事がたくさん起こります。(想定通りに行くことの方が少ないです)
- コロナで営業できなくなった
- 社員が退職した
- 入社希望の人が来た
- 店舗展開したい
- 事業展開したい
- 新しい設備を入れたい
- テナントから退去しないといけなくなった
etc…
このような事が急に起こります。
これらを全て叶えて守ってくれるのはキャッシュ(現預金)です。
では、急に起こったこの出来事のためにキャッシュ(現預金)が潤沢に貯まっているのか?
ほとんどの会社がそうではないでしょう。
そこで出てくるのが金融機関です。
- 銀行
- 信用金庫
- 信用組合
- 政策金融公庫
などです。
これらから融資を受けないといけません。
開業した時も大半の方が金融機関から融資を受けるはずです。
開業の際は実績がないので事業計画書や貯金額が判断材料になりますが、開業してからは試算表や決算書を元に審査され融資が受けれるかが決まります。
経営し続けるということは、金融機関から融資を受けられる決算書や試算表を作らなければいけないという事です。
守りたいものがあるならキャッシュ(現預金)を残す
社員に高い給料を払っても、たくさん休みを与えても、福利厚生を充実させても金融機関は評価してくれません。
いつでもお金を借りれる状態を作っておく
これが社員や会社、お客様を守っていく全てです。
決算書や試算表を元に金融機関はその会社を格付けしています。
中小企業の多くは信用金庫を使うと思いますが、まさに
信用と引き換えにお金を借りているという事です。
信用される会社づくりが会社を続けていく唯一の方法なのです。
※個人・法人問わずクレジットカードや税金、家賃や光熱費などの滞納は信用情報機関に何年も残るので融資が通らなくなります。開業する予定がなくてもマイホームなどの融資が受けれない可能性が出てくるのでお金の管理はしっかりしましょう。
決算書・試算表の見るべきポイント
先述した通り、見るべき大まかなポイントは3つです。
①当座資産
②純資産
③税引き前当期純利益
この3つです。
①当座資産
現預金の流れ、キャッシュフローを確認します。
現預金・売掛金の残高これらが適正か・・・
当座比率をもとめ、キャッシュフローを確認することで会社の”健全性”がわかります。
②純資産
自己資本比率を確認します。
会社の体力(継続性と株価)がどうか・・・
自己資本比率を求めることで、会社の”体力”がわかります。
③税引き前当期純利益
借入返済限度額を確認します。
今の利益額で納税と返済ができるか・・・
税引き前当期純利益を把握することで”納税額と借入返済額”がわかります。
決算書・試算表の仕組みについて
決算書・試算表には
- 貸借対照表(B/S)
- 損益計算書(P/L)
というものがあります。
まずは貸借対照表から説明します。
貸借対照表(B/S)は
資産=負債+純資産
から成り立ちます。
資産・・・現預金・内装費・敷金等。現在あるもの、将来的に現金化できるもの
負債・・・借入。いずれ返さなければいけないもの
純資産・・・利益の蓄積。会社の体力を意味するもの
この貸借対照表で確認するのは
当座比率と自己資本比率
です。
次は損益計算書(P/L)を説明します。
損益計算書は、
売上から仕入れや経費を引いて、利益額がいくらかを示すものです。
いくら儲かったか・いくら損したか
を表します。
この損益計算書で確認することは
納税額と借入返済限度額
です。
次のページでいよいよ見るべきポイントを解説します。